こんにちは、サリーです。
本日は、先日読んだ『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』について。
脳科学の観点から潜在意識や引き寄せの法則、そして願望実現の原理が分かりやすく説明されていたので、今日は特に重要だと感じた前半部分の内容をまとめつつシェアしたいと思います。
ちなみに、著者のアラン・ピーズ&バーバラ・ピーズは、『話を聞かない男、地図が読めない女』や『嘘つき男と泣き虫女』を書いたご夫婦。
一時期かなりブームになったので聞き覚えがある人も多いのではないでしょうか。私も当時読んで、とても面白かった記憶があります。
今回の『ブレイン・プログラミング』は、これまでの著作とは傾向が少し違っていて、主に引き寄せの法則やアファメーション、思考現実化など、潜在意識を活用した願望成就について書かれたものです。スピリチュアルな方向にいかず、脳科学的な観点を重視しているのが大変興味深いところです。
潜在意識・RAS(後述します!)を最大限に活かした「願望達成のための秘訣」や、実際に今日からスタートできる実践的な行動を促してくれる内容になっていました。
「やりたいことはあるけど、なかなか上手くいかない」というお悩みのある人にぜひおすすめしたい、願望成就に関する一冊です。
目次
『ブレイン・プログラミング』をオススメしたい人
『ブレイン・プログラミング』をオススメしたいのは以下の内容に当てはまる人です。
- 「引き寄せの法則」や「思考は現実化する」というフレーズに胡散臭さを感じている
- 引き寄せ系に単にもう飽き飽きしている
- スピリチュアルすぎるのは苦手だけど、叶えたい夢・目標は潜在意識をうまく使って取り組みたい
- 実際にいま夢に向かって邁進している人
- 目に見えないパワーを使って願望を実現したい
私が現在感じているのは、「引き寄せの法則」「願望実現」といったフレーズが、すでに普及しすぎていて、個々人がこの言葉に対して抱いているイメージが先行してしまい、本来の願望現実化の仕組みをきちんと理解できずにいる場合が多いのではないだろうか、ということです。
「願えば叶う」とか「好きなことをやれば自然と道が開けてくる」というのは、確かに、ある側面から見れば真理だと思います。
しかし、意志の力を使って無理やりビジュアライゼーションして引き寄せよう、引き寄せようとしても、深く根付いた思考回路やそれまで自分に根付かせてきた価値観によって、ブロックがかかるんですね。
パイプにゴミが詰まって水が流れないように、そもそも自分の願いがスムーズに潜在意識に届かないのです。
ですので、まずは自分の癖づいた思考や他者から受け継いだ価値観から自由になることが大切。
つまり、いろいろな内面的ブロックを解放していかないと、いくら意志をもって自分の望みを描こうとしても、実現化するのは難しいかもなんですね。「今の自分」が願っていることだと思っていても、潜在意識では実は望んでいないことだったりするので、ブレーキがかかるわけです。
そういう意味で、私は、意志の力(ウィルパワー!)で引き寄せていく、という手法に疑問を常々感じていて、一応ブームになると乗ってしまいたくもなるのですけど、なんだかなーという気持ちが強くウィルパワーでグイグイいこうと思うまでには至りませんでした。
そもそも、ウィルパワーって『成功哲学!』『億万長者!』っていう男性性優位というか筋肉質なイメージ、笑。私の完全な偏見ですが、書籍カバーがだいたい黒色ベース、タイトルのフォントは極太字ゴシックかやたら端正な太め明朝体なのが多いんですよね(最近は変わってきましたけど)。
ですので、女性かついわゆる”出世意欲”がない自分としては、「そういうアグレッシブな感じは無理デス」となっていました。(かと言ってスピリチュアル色が強いのもダメなのですが)
でも今回、『ブレイン・プログラミング』の冒頭あたりで、この本が「意志の力」のことを書いてなくて、あくまでも脳幹を通る細い神経線維-RAS(後述します)のことだけを書いたんだ、と語っていたのでその一文で私は読むことに決めました。アンチ・ウィルパワーなら読んでみようかなと。
RASとは?本書の最重要ワード『RAS』の秘密。
引き寄せの法則・思考の現実化の理論
『ブレイン・プログラミング』の中で、アラン・バーバラ夫妻は、願望達成のために「RAS」を使うことを勧めます。
RAS(ラス)とはReticular activating systemの略で、日本語では網様体賦活系(もうようたいふかっけい)といいます。以下RASでいきます。
「RAS」とは、ほ乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで、体の生命活動を維持する働きのことをいいます。
と言われても、「何のことか意味不明!」となるかもですが、科学者が研究を進めた結果わかったこととして、RASは脳に入るほとんどすべての情報を中継していることがわかっています。
つまり、RASは、入ってくる情報をふるいわけて、何に注意を向けさせるか、どれぐらい関心を呼び起こすか、どの情報をシャットアウトして脳に届かないようにするかを判断する機能を司っているんですね。
ということで、「RAS=脳の活動を支配するコントロールセンター」と覚えておいてください。
RASが行う驚異の仕分け作業
脳には毎日大量の、それはもう大量の情報が送られます。私たちがそれを一つ一つ意識的に処理することは全く不可能なことで、なんと99.999%が知らないうちに処理され、消えています。
入ってくる情報にすべて意識を向けて判断していたら、脳はすぐパンクするのです。
そこで、人は進化の過程で、RASという仕組みを獲得(開発?)しました。要は、仕分け係です。
「RAS」=情報の仕分け屋さん=すべての情報をふるいわけ、そのなかからいつでも自分にとって大事なものだけを拾い上げるツール
ですね。
RASの「GPSシステム」
そしてRASには”GPSシステム”が備わっています。
私たちは普段、町のすべての地図を事細かに頭の中に入れているわけではありませんね。見知らぬ土地へ行くときは、スマホのGPS使って、どのように行くかを調べます。
行きたい目的地だけ決めれば、あとはGPSは働いて、その目的地まで導いてくれるのが便利なところです。
仮に、その目的に行く途中で道に迷ったり、間違えたりしても、その場所からまたGPSで位置を示せば、またその地点からの行き道を示してくれますね。
つまり、スタートはいつからでも始められるわけです、目的地さえ決めていれば。
これと全く同じ働きが、RASにもあります。
私たちが目標(引き寄せたいもの)さえ決めれば、RASがそこへ辿り着くための情報を、あらゆるところから集め始める、ということ!
Google検索で、自分の知りたいことを検索窓に入れたら、大量の検索が結果として表示されますね、それと同じ。
RASにはGPSがついているので、どのいった道を辿ればいいのか私たちを導いてくれます。行き方を私たちが事前に知っておく必要はなく、RASのGPS機能を使うのです。私たちがすべきことはGPSが指し示す通りに道を進んでいくことです。
信じると決めた道へ向かうための情報を集めるのがRASの任務
さきほど、RASが情報の仕分け屋さんという言い方をしましたが、ではRASの仕分けの基準が何かというと、「私たちが信じていること」です。
RASは、私たちが信じること、考えることだけに注意を集中し、信じると決めた道へ向かうための情報だけを集めて、それ以外の情報はすべて排除します。
ここで注意しておきたいのは、RASにとっては人間が考えるような価値基準はないということです。あなたがいつも将来を不安に思っていたとしたら、不安な将来を証明するような情報だけをRASが集めてきます。その結果あなたの前に、「不安を証明する出来事」が起こります。
RASからすれば「あなたが探してたの、これだよね」という感じです。
そう考えると、いつもポジティブなことやワクワクすることに焦点を当てたほうがいい、と言われていることにも納得できそうです。自分のワクワクする理想を目的地として定めていれば、RASがそのワクワクの波動に合ったものや、理想を叶える方法を見つけてくれて、「はい、これね」という感じで、結果として見せてくれるわけですから。
つまり、求めるものだけを見るようにプログラミングしなおすことがとても大切。
求めないものはRASには見せないようにすること。
このあたりのことは、引き寄せの法則に関する書籍でも同じようなことが言われています。意識したことが引き寄せられるから、引き寄せたいものだけを意識する、という内容ですね。
私は引き寄せの法則がこれまであまり魅力的に思えてなかったのですけど、このRASの存在を知って、一気に現実的なこととして捉えられるようになりました。「プログラミングしなおす」という表現にとてもしっくり来たのだと思います。
悲観主義やネガティブ思考の人が、夢を叶えにくいのも、RASの働きを考えれば納得です。本人は望んでいるつもりはなくても、それをマイナスのことに意識を向けているだけで、RASはそれが望んでいることだと勘違いするんですね。
RASは張り切って、夢を叶えない状況を探してくれて、あなたに悲しい現実を提供してくれるのです。ある意味、すごく従順な存在だと言えるでしょう。
嬉しいことに、RASは言葉を正確に選んで意識的に語りかけていけば、あなたの思い通りにプログラミングできる。あなた自身の現実は、たった今から自分でつくり上げていくことができる。
大事になってくるのが、RASの取り扱い方ですが、著者が上述しているように、私たちはRASをコントロールすることができるので、大丈夫です。
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RASをプログラミングする方法


RASを自分の求めるものに絞ってプログラミングしていくことが、とても大事なことはわかりましたね。
で、着眼点として次に出てくるのが、「自分が何を求めているのか」という根本的な問いなのですが、、、
人生で自分が心から望むことに気づかない人が多い、というのが、非常に多い。
育った環境や周りの人に言われ続けたことが、いつしか自分の価値観のようになっていきます。たとえば、兄弟がいたとして、お兄ちゃんが、とてもいい大学に行ったとします。弟は、周りの人から「お兄ちゃんはあんなに難しい大学に入れてすごいわね、あなたもお兄ちゃんのように立派な人になりなさい」と言われ、育てられるとします。そう聞き続ける中で弟としては、難しい大学に入れるような頭脳をもった人がすごい→自分もすごい人になりたい→自分も良い大学に入りたい、という感じで、幼少の頃は美術や音楽が好きだったはずの弟が「良い大学に入りたい!」という目標をもつようになります。
ここで注目すべきは、弟自身もそれが自分の望みだと思っている点です。
やりたいことの多くのことは周りの意見、育った環境、メディアなどの外部から影響を受けて出来上がってきた価値観をベースにしています。そして、周りの影響を受けるのが悪い、ということではなくて、むしろそれは視野を広げるためには大いに影響を受けたらいいのですけど、何より大事なことは、軌道修正をすることです。
自分がやりたいと思っていたはずのことが、実はそんなにやりたいことではなかったということがわかった時に、軌道修正をする勇気と、過去に執着しない軽やかさが求められるわけです。
「この道はどうもしっくりこない、自分には合わないらしい」となったとき、次に、「自分は何を本当は何を望んでいるんだろうか」と考えると次が出てくる。でもそこで自分をごまかして本音を隠すようにしていると、自らを騙し続けることになります。
本音を隠さずに自分の気持ちに素直になって、それに合わせて軌道修正していく。そうすれば、自分が自然体でいられる環境がどんなところなのか本当の意味でわかったり、本領発揮できる分野が何なのかがわかってきます。
「やりたいことリスト」を作る
仮に自分のやりたいことが、本来の自分の望みではなかったとしても、それは一度実際に試してみないと気づくことができません。いずれにせよ、まずは行動することしか自分を知る手立てはないといえます。
そこで『ブレイン・プログライミング』では、「やりたいことリスト」を作り、自分がやりたいこと、達成したいと思うことをとにかくまずは書き出すことを勧めます。これは大いに賛成。
周りの人間の価値観で生きることが当たり前になった人にとって、このやりたいことリストを作ることは難しいかもしれません。でも、少しでも自分が惹かれる分野や活動やあればそれをすべて書くようにします。
できるか、できないか、ではなく、あくまでもやりたいことを書きます。どうやったらできるんだろう、と方法も考える必要はありません。ただ、やってみたいこと、興味のあることを書いていきます。
このように、自分がやりたいことだけをまずは考えることで、RASをプログラミングしていくことができます。
あと「アファメーション」もRASの機能を考えると効果がありそうですよね。アファメーションは、自分の理想の状態を「自分が既にそのようになっている」という状態で文章を書き、それを定期的に唱える、というもの。RASによって仕分け作業が行われるのであれば、自分にとって必要な状態だけをアファメーションによって取り入れれば良い、ということになります。
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「何を」したいのかだけを考える


人生で、自分の願望を叶えることができないのは、たいていの場合、どうすればそれを叶えられるのか、という「方法」に気を取られてしまうから、と著者は言います。これも大いに賛成!
世界一周旅行がしたいと思ったときに、たいていの人がまず思いつくのが、お金を貯めることではないでしょうか。そして、手元にお金が十分にないことに落胆し、実現できないことに悲嘆します。
でも、そういった状況でするべきことは、実際のお金の有無に関わらず、世界一周旅行でやりたいことをもっと具体的に考え、イメージすることです。
旅行をして、自分は何を得たいのか、何をしたいのか、どんな人と出会いたいのか、そしてどんな思いを感じたいのかをイメージすることです。臨場感をもってビジュアライゼーションする、と成功哲学系の本で言われるのもこれと同じことですね。
何か目標を達成しようとするとき、もっとも大事なのは、「何がしたいのかをはっきりさせること」だ。どうすれば達成できるのかを考えてはいけない。そんなことはRASが考えてくれる。
すでに書いたとおり、RASにはGPSが備わっている。だから、どこへ行きたいのかを決めさえすれば、RASがそこへ導いてくれる。
どうすれば達成できるのかを考え出すと、人は萎縮してしまう。その時点ではまだ、方法がわからず、技術もなく、達成するために必要な条件も整っていないからだ。一歩も踏み出せないから、当然、何ごとも起こらない。しかし、この時点で肝に銘じてほしいのは、何をしたいのかを考えることであって、どんな状況であろうと、絶対にどうすれば達成できるのかを考えてはいけない。少なくとも、この段階では。
まず、何をしたいのかをはっきりさせる。どうすれば達成できるのかは、RASに任せておけば、そのうち自然にわかるということです。
目標ノートを作る
夢を叶える方法で人気のあるものとして、ビジョンボードというものがあります。本書で著者がすすめている「目標ノート」もこれと同じようなものです。
関連記事:ビジョンボードの作り方。意識したいポイントとおすすめツールの紹介
目標をイメージできる絵や写真、文章、イラストを集めて、一冊のノートに貼り付けたり、書き写します。そして、定期的に眺めるようにします。
目標ノートに、前述のやりたいことリストを書き出すと、不思議なことに書いたことに関係する情報を、あらゆる場所で目にするようになります。
この現象と似たようなことを、多くの人が経験しているかと思います。妊娠した途端、街中にお腹の大きな妊婦が突然増えたように錯覚します。妊婦さんはいつだっていたのですけど、自分や身近な人が妊娠して、自分にとっての意識対象になると、街でもなぜか妊婦さんがやけに多い気がしてきます。
このように、自分が(無意識だったとしても)意識が向いていることに関して、現象や情報が目の前にあらわれるようになります。
書き出すことがなぜ必要なのか?
私たちが普段なんとなく考えていることや興味があることは、頭のなかでスパゲティのように固まっていると著者は言います。仮に明晰な頭脳をもって考えていたとしても、です。
書くことによってそれぞれの輪郭をはっきりさせ、一つ一つを分けて考えることができるようになります。
「文字」という目に見えるものに出すことで、じっくり読み、じっくり考えることができます。やりたいことをリストを書いてしばらくして見返したときに、なんとなく色あせている項目があったり、逆に、当時は優先順位の低かったものにとてもワクワクを感じることがあります。
輪郭は一気に出来上がるものではなくて、徐々に自分の理想に近づけていく作業です。輪郭をきちんと整えてあげるためには、書いて、実際に修正・加筆していく必要があるのです。
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手書きが理想である理由


面白い研究を著者は紹介します。
ドミニカン大学力リフォルニア校の教授が、267人の参加者を集めて、目標達成率に関する実験を行いました。
目標を紙に手書きしたときとキーボードでタイプしたときの達成率を比較した結果、なんと手書きの方が達成率が42パーセントも上がることがわかりました。
手書きをするだけで、達成率が大幅に上がったのです。
キーボードで文字をタイプするときに必要な指の動作は8種類です。脳の動きもその8種類の指の動作に限られます。でも、手書きのときに必要な指の動きは複雑で、1万種類にもなる。
そのため、脳で働く神経の数がずっと多くなります。パソコン入力よりも多くなるのですね。
また、手書きすると、目標に対する思い入れが強くなり一生懸命取り組むようになると著者は言います。
やりたいことリストや目標ノートを毎日読み返すようにするのが大事なのは、手書き同様に、思い入れが強くなること自体に目標達成の秘訣があるからです。これも大いに賛成。私も自分自身の経験上、目標ノートを作るのであれば手書き以外考えられません。
まとめ
- 何をしたいのか、何が欲しいのか、何になりたいのか、目標をはっきりさせる
- ノートにそれらの目標を手書きする
- RASがそのための方法を探しはじめる
- ノートを定期的に見直して、随時、軌道修正する
- RASが再び道を探してくれる
- 1~5の繰り返し
目標ノートややりたいことリストなど、実は自己啓発ジャンルにおいてはけっこう王道な内容なのですが、RASを絡めての説明なので説得力がある、というのが本書のポイントだと思います。
目標を定めることで、それに関係する情報が目に入り、詳しく知ることができるようになります。そして、やりたいことリストや目標ノートを読み返していると、自分にとってどの目標が大事かつ真実なのか、それとも一時的なものなのかがわかってきます。
そして、表面的には違う内容の項目のなかに、何か根底に共通点があったり、ある特定の方面に関心が集中していることを発見するかもしれません。
それこそが、あなたにとっていちばん大切な目標であり、人生の軸にするべきことなのです。
『ブレイン・プログラミング』の著者は、下の質問を自分に投げかけることを提唱します。
これまで生きてきて、何よりも楽しかったことは何だろうか。いい機会さえあれば、お金なんかもらえなくても、喜んでできると思えることは何だろうか。
過去を振り返り、もっとも楽しかったこと、幸せだったこと、最高の気分を味わったことは何だったかを一度じっくり時間をとって思い出してみてください。
本当に進むべき道は、そういうことの中から、ふと浮かびあがってくるはずです。
では本日はこのあたりで。