10月28日 12:38 蠍座にて新月を迎えます。
新月は、意識(太陽)と無意識(月)が同化するタイミング。何かを始めたり行動を起こすための好機ですけれども、今回の蠍座新月、太陽と月の真向かいの天王星からの影響とか、火星が土星と海王星と一筋縄ではいかないような関係にあったりと、ちょい厳しめな雰囲気は漂っていますね。
驚きの知らせが届くかもしれないし、突然の何か不測の事態が起こったりと、一時的に動揺が生じることもあるかもしれませんが、今の星の動きに通底するテーマは、人生の囚われた状況からの解放、というところにあるのではないかと感じています。
囚われた状況からの解放というのはその人なりの自由であったり真の自己実現というところにも繋がるかと思いますが、そこに至るにおいて手放すべきものがあるだろうし、実質空っぽになっている過去への執着みたいなものは強制的に捨てていくことになる方もいらっしゃるかと思います。
そして、蠍座が絡むときには、普段は隠されていた思いや感情が浮上しやすかったり、ご自身のテーマとなっている対象の深掘りを徹底すると蠍座的世界の空気感と共鳴しやすいときです。共鳴してどうなるかというと、自分を変質・脱皮させるということ。
新月周辺では、心のうちで感じたことを手がかりに、その思いをなにか行動に直結させていけると良いですね。
ではまずは蠍座の特徴から見ていきましょう。
さそり座が表すもの
(こちらは過去記事からの抜粋です)
蠍座は12星座の中で、8番目のサイン。固定宮・水の星座です。
情が深く、一度掴んだものは離さない。融合して一体になる、密着感MAXの星座です。
一つ前の天秤座で出会った対人関係のあとで、特定の人と深い交流を求める段階ですね。理念的な天秤座の意識を次は情感の中に定着させていくことで、人は次なるステージへと成長を遂げるということです。
というのも、他者との深い関わりの中では、まず自分の殻を打ち破らなければいけません。自分自身を守っている殻を打ち破り、他人に対する壁をなくしていく。個人のテリトリーを凌駕していくことで、深く分かち合える融合感・一体感。
人間はエロス(生・性)とタナトス(死)という、矛盾する欲動を抱えていると心理学者のフロイトさんは提唱しておりますが、エロスはいわばポジティブに生きようとするエネルギー、対するタナトスは、破壊や死に向かって進むエネルギーのこと。この二つのエネルギーが共存するのが人間なのですが、まさにこれって蠍座的。
人が最も「生」を感じるのは「死」を予感したときです。「メメント・モリ(死を思え)」という言葉があるように、死を感じながら生きることで、生命の底力が発揮される。極限地点において陰陽が転じるのですね。。
蠍座は社会でタブーとされる「性と死」を司る星座ですが、やはりこのあたりのタブー的な側面を見ない限り、本物の洞察や物事の背後に潜む何かを見極めることは難しいということなのでしょう。
深い洞察力と物事を追求する粘り強さと集中力、独特なオーラ、好き嫌いがけっこうある、一見穏やかだけど強い情熱を内に秘めている,,,etc サソリカラーが強い人にはそういった傾向があります。
表層的なキレイゴトにはごまかされないし、相手の奥を見ようとする眼差し。ノリでいこうとする相手からするとちょっと怖いような、でもなぜか吸い込まれてしまう、そんな不思議な魅力がある。
蠍座は自分以外のものと融合する特質があるとされますが、これは言い方を変えると他者から何かを「受け取って」「引き継いで」自分のものにするということで、これだけ聞くと欲張りな印象を受けるかもです、が、「得るものあれば失うものあり」です。自分本来の個性を発揮したり、自分のしたいことをしたり、といったセルフテリトリーを満喫するステージからは少し離れます。
一度手にしたら離さないという強さや粘り強さは、執着心に繋がりやすくもあり、「いかに手放すか」が課題だったりします。深い融合から一転して、手放すことで人生をさらに変容させていくといえるでしょう。
10月28日 蠍座新月について
蠍座といえば狭さと深さ。自分と相手との関係の壁を壊して、深く入り込むことを表します。今回の新月周辺では、特定の人や特定の物事(仕事や趣味、恋愛なんでも)に一点集中して、その対象と一体化することで、脱皮した新しい自分へと進化できるタイミングだといえます。
「自分以外の対象との関わりのなかで、自我の在り方が調整される」ということですね。
太陽と月は蠍座にて重なって、対向の天王星から刺激を受けます。がっちり180度。ちなみに火星と土星はタイトな90度。
意志と無意識がタッグを組み、真剣に何か集中できる対象を通じて大きな力を得たり、グレードアップできそうなタイミングです。ゆるモードではいけないような、ビシっと感はあります。
蠍座に位置する太陽&月は、私たちの心の奥深くにあった感情や思いを浮上させ、その反動としてこれまでとは全く違うことや新しいことへの関心へと向かう可能性もあります。天王星が、これまであなたが積み上げてきた常識や知識、価値観などをザーっと流して解放させ(ある意味ショッキングなかたちで)、新しい風を吹き込んでくれるでしょう。
ふと思いついた「あっ、これいいかも」と思ったものに対しては一気にグッと深掘りしてみるとか、集中的にその世界に浸ってみる、なんてことをすると洞察力や探究心が味方してくれます。
ただ、そのあたりの気づきや発見に至る際には、自ら慎重に選んだ結果というよりは、偶然だったり、ながらく蓄積していた不満からくる反抗的な結果だったり、周囲の状況に翻弄された予想外の展開というケースになるかもしれません。
いずれにしても、今までのやり方や閉鎖的な状況を打ち破り、結果的にはあなたの精神的な変化と成長をもたらします。より自由で自分らしくいることへの途上だと感じることもできるのではないかと思います。
新月周辺の過ごし方としては、どちらかというと色々広げるときではなくて、何か自分がターゲットとするものを深めるor集中する、ということが、意識的に取り組みたいこととなります。
関係性をより深めることが何か、は人によりけりで、仕事だったり、パートナーとの関係、お金、趣味、家族or友人との関係だったりと、関わり合いの舞台は異なりますが(←あなたのネイタルチャートで今回の新月が何ハウスで起きているかチェックしてみると良いかも)、共通した課題としてもっておきたいことは、①自分(と相手)の本音に向き合うこと ②感情面を無視しない ③深掘りして一体化による変革を試みる、等々。
これらを意識し行動に移すことで、自己の新生の機会が与えられるのではないかと思います。
で、その上で今回の新月の影響として考えられるものをもう少しみていきましょう。
あなたの中にある執着心や依存心が主たるベースとなって特定の人や事柄との関係が続けられてきた場合(共依存的な関係やアディクション状態)、しかもあなたが心の奥ではそれを望んでいない場合は特に、今回の蠍座新月周辺で、その環境との不和を生じさせるような流れが来ることもあります。
魂が設計したあなた固有の可能性をこの人生で試すために、自立や自由へのプロセスとして、この不和は起こります。自己信頼を取り戻すため、手放すべきものから卒業するための、愛ある起爆剤が投げ込まれるかも、ということです。
それは、怖れや痛み、悲しみなどを伴うものになるかもしれませんし、スカッと爽快にさえ感じるものかもしれませんが、いずれにしても不和が生じることでその関係から離脱しようとする方向へと意識や関心が向くことも多いかと思います。
「もうやめよう」「もう卒業しよう」と一瞬でも、あなたの本音がそう囁くようであれば、その気持ちを大事にしてあげてください。そしてこの今のタイミングから、「これまでの状態を卒業して自分は新しい道を歩いていく」と決意し、軌道修正された道のりにいる自分を感じるようにしましょう。
ある出来事がきっかけとなって、自分がこれまで思っていた以上に己の人生を人任せにしていたことに気づくかもしれません。信頼関係だと思っていたものは実は依存関係だったのだと気づき、真の意味で一人の人間として自立していなかったことにハッとなるかもしれません。
蠍座が表すように、相手と一体化することで人は一人では味わえない大きな生命力を得られることも確かです。ですが、「一体化」とその対向にある「自立・独立」は本当は共存できるもので、そのバランスが崩れている場合は、今の時期周辺で調整が入るのではないかと思います。
また蠍座新月の別の影響として、あなたが情熱や時間を捧げてきたコトやヒト、コツコツと研究してきたことに対して、大きな壁を感じることがあるかもしれないということ。自分の限界や個人で果たせる範囲の狭さ、みたいなものを感じたり、目の前に立ちはだかる現実の厳しさを思い知って、あぁまだ自分は全然ダメなんだ、という敗北感を感じることがあるかもしれません。
今のあなたがこのようなことを感じている場合は、自分がこれまでとは違うフェーズに来たのだと捉えるようにしていただきたいと思います。逆境の先には、次のステージがもう待っているんだ、ということを忘れないでいただきたいのです。
この世界は個としての人間が一人一人別々に生きているんだという感覚があると、単独的な存在として物事や自分をコントロールできるものだと思うかもしれませんが(確かに自己統制は大事ですし、ある程度可能ですが)、無意識の領域ではいろいろなことが繋がっていて、いわゆる自由意志や自我でコントロールできる部分というのは実は随分と限られています。
無意識領域で流れているメロディが、あなた個人のリアルタイムの感情とリンクすれば、制御できない感情の渦に呑み込まれることもあるだろうし、上手に波に乗ることができれば、通常なら到底無理な高い壁を乗り越えて、信じられないような偉業や成果を果たすこともできます。
そういった、自分では自由に動かせない部分がある、大きな障壁がある、ということを感じたとき、それでも確たる信念や情熱が個としての存在の自分の内にあることに気づくこともあるでしょう。あるいは、長期間フタをされていた願望や欲求がパッと蘇ることもあります。
そのような瞬間は、何気ないものとしてサッと過ぎていきがちなのですが、人生を自ら創造していくためのシフトチェンジが起こるすごく大事な一瞬だったりします。
願望・情熱・信念の動機は、単純にそれが好きだから、楽しいから、夢中になれるから、というものだったり、大切な人の喜ぶ顔をみたいから、守りたいものがあるから、理想を叶えたいから等々、突き詰めれば案外シンプルで純粋な思いであることがほとんどです。そのような思いが元になっているのであれば、到底無理そうな高い壁を集合エネルギーの波と共鳴して、乗り越えることが可能になるのです。
反対に、根底の思いが損得や打算である場合は、どこかで必ず歪みが生じるので、コントロールできない波に呑み込まれます。
あなたがいま専門的にあるいは熱心に取り組んでいることがあるとして、その動機となる信念や情熱が確かなるものであるならなおさら、今は少し忍耐して立て直しを図ることが吉と出るでしょう。自分の未熟さを感じても挫折や苦難を感じても、乗り越えられるものが自分に用意されている、と捉えてみてください。
てな感じで、色々言ってきましたが、もちろん楽しい可能性もこの新月周辺では期待できます。思ってもみなかった突然のチャンス、閃きや精神的啓示、驚きの朗報、何かをもらうor受け継ぐ、臨時収入、テレパシー的な交流、まったく新しい情報をゲットetc、いずれにしても、新しい風が吹き込まれるような感じ、固定した囚われから解放される契機となるような「変化」を経験するのではないかと思います。
そんなこんなで、太陽が次の射手座に移動するまでの約一ヶ月間(11/22まで)は、ある種の束縛を伴った環境において自分を大きく変容させることが可能です。束縛性のあるなかで自分を成長させてこそ見られる新しい景色があります。そしてその新しい景色を眺めながら、太陽射手座期には羽を広げて大空へと旅立つのです。
誰かの人生に自己を投影していたり、安定した場所に留まりたいあなたにとっては過去を捨てることを意味するかもしれない、でも、脱皮による新しい可能性は深い精神的覚醒と真の自立をもたらしてくれます。それは、自分の価値を自分で作り出し、自らの手で人生を創造することへと繋がります。
そうすればこそ、他者と深くコミットする協働作業が大きなエネルギーとなって現実を変えていく力となります。カルマ的状況の硬い殻を打ち破り、あなたを取り巻く環境やあなた自身を変革させていこうとする流れもドンドンやってきます。
もちろん、一人ひとり個別のテーマとリズムがありますので、普段通りの穏やかな日常が続いているのであれば、それはそれで素晴らしいことです。現在all OKな状態にあなたがいる場合も、太陽が蠍座にいる期間は、自分が好きなものにとことんこだわったり、熱中できることに邁進してみてください。深い洞察を得て、その道の真理へと近づくことができるはず。
11月1日には水星が逆行を開始して、その翌日には金星が蠍座から射手座へと移動します。このあたりから、また流れが変わってくると思いますヨ。ってもうすぐだけど。
では、あなたが素敵な蠍座新月の日を過ごすことを願って、
本日はこのあたりで。
下の曲、一般的には恋愛songとして知られてると思うんだけど、まぁいろいろ意味を拡大解釈してみると面白いかな〜。