こんにちは、占星家のサリーです。
本日はアドラー心理学について。
突然ですが、
私たちの世界には、本当の意味での「過去」は存在しない。
このように言うと、あなたはどう思われるでしょうか。これはアドラー心理学のなかで私が最も影響を受けた一節です。
「共同体感覚」「勇気づけ」など、アドラー心理学の本(嫌われる勇気など)を読んだ人にはおそらく広く認知されている概念が他にもいくつかあるとは思います。
本日はアドラーのそれらの概念の中でも「過去」の概念(正確には『目的論』の一部)、つまり、
私たちは過去の記憶をどう扱っているのか、
というテーマに焦点を当ててアドラー心理学をひっぱりつつ話したいと思います。
私が普段提供している占星術セッションでは、現在と未来の運勢だけでなく、過去に光を当て直す作業もしています。
過去の様相はもちろん人それぞれ違うものの、どのような形であれ過去に縛られている人が非常に多いことを日々痛感しているんですね。
過去への囚われを手放すことができれば、溢れ出る才能がもっともっと伸びるのに正直もったいないなぁと感じることがかつてはありました。
しかし、どんな過去であれ、そこにも意味があると私自身気づいたからこそ、今では過去を宇宙的なサイクルでしっかり振り返るコースも提供していたりします。
何はともあれ、過去に縛られがちな人も、この記事を読むことで新しい視点で過去を捉えることができるようになるはず。
アドラー心理学を学べば、過去に縛られずに生きるヒントが得られますよ!
[quads id=9]目次
不幸の大きな原因は”過去に縛られていること”
現在の日本は、世界中で戦争をしていた過去に比べると平和で豊かな時代だといえます。少なくとも物質的にはそれなりに豊かな国なはずです(途上国になりつつある気配はありますが!)。
しかし一方で多くの人が「心の底から充足感を感じられる人生を送れていない」というのも否定できないのが現状です。私自身、普段セッションをしていても強く感じることです。
一見幸せそうに見える人が深い心の闇を抱えている、なんてことは珍しくありません。
環境は悪くはないはずなのに、人はなぜ幸福を感じられないのでしょうか?
その大きな原因の一つが、私たち人間が過去に縛られてしまう傾向を持っているからなんですね。
過去に縛られて、現在の幸福を感じられなくなっていることが非常に多いのです。
ではどうすれば過去に縛られずにいられるか?アドラーの考えをみていきましょう。
過去にどのような意味づけをするかによって記憶が変わる
われわれは過去の出来事によって決定される存在ではなく、その出来事に対して「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。
豊かな現代では衣食住以外で様々なことを日々考える時間があり「過去」のことにも思いが飛びやすくなります。
特に現在の状況が、自分の好むものでなかった場合、未来を展望することは難しく、どうしても過去へと気持ちが向く傾向になってしまうものなんですね。
そして、意識する・しないに関わらず、私たちは過去の出来事に自分なりの意味を与えています。
たとえば、
辛い子供時代を送ったとして、その過去に「家庭環境が悪かったから自分の性格が暗くなった」という意味づけをしていたとします(無意識的であることが多いです)。
この場合、家庭環境が悪かったことで今の不幸な自分がいる、つまり「過去をトラウマ的なものとして」、記憶の中に残しているといえますね。
しかしアドラー心理学では、「人間はいつでも自己を決定できる存在である」と捉えます。
つまり、
自分の人生を決定するのは、
過去ではなく「いま、ここ」を生きるあなた、
だということ。
[quads id=8]人間は誰もが「わたし」という物語の編纂者であり、その過去は「いまのわたし」の正当性を証明すべく、自由自在に書き換えられていくのです。
-中略-
人は過去に起こった膨大な出来事のなかから、いまの「目的」に合致する出来事だけを選択し、意味づけをほどこし、自らの記憶としている。逆にいうと、いまの「目的」に反する出来事は消去するのです。
過去に縛られていた実際の例
「過去に意味づけをし、過去に縛られる」とはどういうことなのか?
私自身の例でお話したいと思います。ここでお話する内容は、特に女性は私と似たような過去の意味づけをしてる人が多いかもしれません。
私には海外一人旅で放浪していた時期があります。いわゆる危険地帯には行かなかったものの、一般的な観光地と言われる場所でもハプニングは頻繁に経験しました。
旅の経験を振り返ったとき、見知らぬ土地で怖い思いをしたネガティブな印象が残っています。数年経った今でも過去の怖い経験によって気持ちより先に”身体が反応し”、警戒してしまうことがあります。警戒の気持ちは旅の行き先を決める時にも当然ながら反映されるようになりました。
このように過去の経験によって海外を解釈し自分の行動や経験を制限するようになりました。
まさに「過去に縛られている状態」だと言えますね。
こういう場合こそ、アドラー心理学を取り入れ、「過去の記憶を書き換える」ことを選択するのがベストです。
旅での過去を振り返るときに、何よりも私が思い出すべきなのは嫌な目にあったことではなく、旅の中で人に助けられていたことも事実だ、という記憶です。
記憶と過去を再選択することが大切。
たしかに危険な目にはあいました、でも同時に、偶然出会った人に助けてもらうこともありました。そして、宿では素敵な仲間に巡り合い、かけがえのない時間を過ごすことが出来ました。そしてもちろん他の土地でも、親切心からオススメの場所やお店を教えてくれる人もいました。
彼らが私にしてくれた行為の真意は、ここでは重要でありません(もしかして、あとで騙すつもりだったかもしれないとか)。
大切なのは、私の心を少しでも幸せにしてくれた彼らが実際にいたという記憶を、
「選択する」
ということなんですね。
過去に縛られない生き方をする
このようにして、過去に実際起こったことに対してどの記憶を選択し、どんな意味づけをするかで、今の自分を変えることができます。
上の例でいうと、
- 「世界は危険なところであり、人々はわたしの敵である」とみるか
- 「世界は安全なところであり、人々はわたしの仲間である」とみるか。
捉え方を変えるだけで、その過去の記憶はアップデートされます。
過去の記憶によって狭められていた自分の価値観が自由になります。
しかし、過去の記憶をアップデートせず、ネガティブな捉え方をしたままだと、私たちは過去に縛られて生きることになるのです。
過去が「いま」を決めるのではありません。あなたの「いま」が、過去を決めているのです。
いつどんな場合でも、私たちは自分を変えることができ、過去も変えられるのだということですね。
あなたはどんな過去を選択してきましたか?
ここであなたに考えていただきたいことがあります。
現在あなたが何かしら「過去に縛られていること」があるとして、その過去は本当に絶対的な事実でしょうか?他の見方はできないでしょうか?
別の解釈をすれば、新しいポジティブな光を当てることができるかもしれません。
ぜひ過去の記憶のアップデートをしましょう。
- 過去に実際起こったことに対してどの記憶を選択したか?
- どんな意味づけをしたきたか?
能動的に過去を選び直す習慣をぜひ作ってくださいね。
[quads id=3]あなたは自ら望んで過去に縛られている
どうして過去に起きた悲劇を「教訓」や「思い出」として語る人もいれば、いまだその出来事に縛られ、不可侵のトラウマとしている人がいるのか?
これは過去に縛られているのではありません。その不幸に彩られた過去を、自らが必要としているのです。あえて厳しい言い方をするなら、悲劇という安酒に酔い、不遇なる「いま」のつらさを忘れようとしているのです。
とても厳しいことばですが、上の引用は真理だと感じます。
本記事では「過去に縛られる」という表現を何度も使ってきました。ですがアドラー心理学的に言うと、厳密には「私は望んで縛られている」というのが正しいのです。
不幸な過去を自分が必要としている、と。
先ほどの一人旅の話で考えてみましょう。
私には当時、旅の経験を伝えたい人がいました。一人旅に行くことで「私は成長し、深みのある人間になったんだぞ」と知ってほしかったんですね。でも実際のところ、思っていた以上に自分は臆病で当時英語もろくに話せなかったこともあり、頭の中で思い描いていた「理想の海外体験」があまり出来ずにいました(=これが「不遇な今」に当たります)。
そんなときに私の身に起こった数々の小さなハプニング(=「悲劇という安酒」)。
ハプニングは、私が旅を通して成長したと”見せかける”絶好の自慢話だったわけです。
そこから、何を得て、何を感じ、どう成長できたのか、といったことをあまり考えることなく、私はその出来事を旅土産として持ち帰りました。
その結果、最終的にわたしの内面で何が起こったか?
「世界は危険なところであり、人々はわたしの敵である」という世界観の構築です(泣)。
本当は「世界をもっと知りたくて強くなりたくて出かけたはず」が、気づかぬうちに世界をさらに怖いものとして記憶することになったんですね。
このようにして「自ら望んで縛られている」「不幸な過去を自分が必要としている」状況が作られるのです(もちろん本人は自覚しないことが多いです)。
新たな過去を決定し人生を再選択する
当時の私にとってベストの選択は何だったのでしょうか?
「過去に自分が作った物語に気づき、これからはどうしたいかを考え、新たな過去を決定し再構築すること」だと今の私なら答えるでしょう。
現在、私は自分が作り出した物語に気づいているので過去を書き換えることができます。
実際、世界観は書き換えられ、出会う人も自分の行動も考え方もここ数年で劇的に変わりました。
過去から自由になるために。心のブレーキがないか自分に問いかけてみよう
今あなたが自分の内側でどこか強いブレーキがかかっていると感じているのであれば、それは過去に起因しているのかもしれません。
自分が無意識に感じていた恐れに腰を据えて向き合ったとき、じつはそれが実はたいしたものじゃなかったと拍子抜けすることもあります。それはそれで面白い発見になるはずです。
そして何よりも、過去の記憶の捉え方を変えることで、現在に変化を起こすことのできる無限の可能性を、私たちは秘めています。過去から自由になれるのです。
私も日頃のセッションを通じて、過去に光を当て直す作業でクライアントさんの視点が変わり、その後の人生が大きく変わったことを実際に何度も聞いて、確信していることがあります。
「あなたは過去を自由に選び直すことができるし、未来も自由に選ぶことができる。そのためには、まずは自分にはその力があると信じることが大切」だということです。
あなたが過去に縛られない自由な人生を送られることを願っています。
では、本日はこのあたりで。
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